【開催案内】シンポジウム「パブリックヘルス(公衆衛生)の現代的課題を考える」
■ 開催趣旨
今日、健康やウェルビーイングへの社会的関心が高まる中、パブリックヘルス(公衆衛生)の重要性が再認識されています。パブリックヘルスは、かつては主に感染症対策を中心とした社会保障の一領域として捉えられていましたが、疾患構造の変化に伴い、生活習慣病やメンタルヘルスなどの非感染症、さらにはそれらの背景にある社会経済・環境要因、栄養学的アプローチを含む包括的な健康科学へと発展しています。これにより、学術研究・ビジネス・政策において、パブリックヘルスの知見を活用する場面も拡大しています。
本シンポジウムでは、こうしたパブリックヘルスの現代的テーマの中でも特に注目される2つのテーマとして、情報が心身に与える影響とプラネタリーヘルスを取り上げます。
近年、デジタル技術の利用が健康に与える影響について懸念が強まっており、一部の国や地域では若年者のSNS利用を制限・禁止する動きがあります。プラットフォーム事業者を含むIT企業にとって、ユーザーの健康リスクへの対処が新たな経営課題として浮上しています。本シンポジウムでは、情報的健康の視点も織り交ぜつつ、この問題の現状と対策について議論します。
また、環境問題への懸念がますます強まる中、注目を集めつつあるのがプラネタリーヘルスです。プラネタリーヘルスは、地球環境と人類の健康の不可分な関係性に焦点を当てた概念です。サステナビリティとヘルスケア/ウェルビーイングという現代社会が直面する二大課題を統合的に捉えるものとして、多様な分野への応用可能性を示しています。本シンポジウムでは、プラネタリーヘルスの概念や、ビジネスセクターを含めた各セクターの取組みとその意義について議論します。
様々な立場の識者とともにこれらのテーマを議論することで、学術研究、ビジネス、政策立案など広範な領域におけるパブリックヘルスの可能性を探求し、考察を深める機会となることを願っております。
■開催概要
・日時:2025年7月1日(火)15:30~18:00 (開場15:00)
・会場:慶應義塾大学三田キャンパス 東館6階 G-Lab ※途中入退場自由
・使用言語:日本語
・定員:100 名
・参加形式:対面開催のみ
・参加対象:どなたでも(先着順)
・参加費:無料
・主催:慶應義塾大学 X Dignity センター
・共催:日本医療政策機構(HGPI)
■参加方法
こちらの申し込みフォームよりお申し込みください。(定員に達し次第、締め切らせていただきます)
■プログラム
15:30-15:40 開会挨拶
15:40-15:50 プロジェクト紹介
1.アテンション・エコノミーと「情報的健康」
山本龍彦 (慶應義塾大学大学院法務研究科教授, X Dignityセンター共同代表)
2.プラネタリーヘルスと人権
南谷健太(慶應義塾大学グローバルリサーチインスティテュート 共同研究員/UCLA School of Medicine/弁護士)
15:55-16:50 クロストーク part1「情報的健康と心身の健康とのつながり」
【モデレータ】
山本 龍彦(慶應義塾大学大学院法務研究科教授, X Dignityセンター共同代表)
【パネリスト】
・水谷 瑛嗣郎(慶應義塾大学メディア・コミュニケーション研究所 准教授)
・今西 洋介(UCLA School of Medicine/小児科医・公衆衛生学博士)
・西 久美子 (総務省 情報流通行政局情報流通振興課 情報活用支援室長)
・南谷 健太(慶應義塾大学グローバルリサーチインスティテュート 共同研究員/UCLA School of Medicine/弁護士)
16:50-17:00 休憩
17:00-17:55 クロストーク part2「プラネタリーヘルス」
【モデレータ】
南谷 健太(慶應義塾大学グローバルリサーチインスティテュート 共同研究員/UCLA School of Medicine/弁護士)
【パネリスト】
・ 菅原 丈二 (日本医療政策機構 副事務局長)
・ 平竹 雅人 (一般財団法人 竹田健康財団 理事)
・ 井筒 将斗 (厚生労働省 大臣官房国際課 国際保健管理官)
・ 鹿嶋 小緒里 (広島大学 IDEC国際連携機構プラネタリーヘルス・イノベーションサイエンスセンター センター長/准教授)
17:55-18:00 閉会挨拶
山口 寿一(株式会社読売新聞グループ本社代表取締役社長、慶應義塾大学X Dignityセンター・アドバイザリーボード議長)
■本件に関するお問い合わせ
慶應義塾大学X Dignityセンター事務局(担当:鈴木)
Mail : x-dignity-group[at]keio.jp ←[at]を半角のアットマークに直して送信してください。